公務員試験の一次試験を対策。全科目の勉強法をサクッと知る

公務員試験を解説する人たち教養科目

一次試験ってどう対策すればいいですか。

試験内容をざっくり紹介したあと、科目ごとに分けて解説していきすね。

  • 一次試験の対策方法が分かる
  • 科目ごとの注意点が分かる

当サイトは、国家公務員である土井まさひろさん(仮名)の協力のもと、公務員試験の国家一般職に合格するまでのステップをロードマップ化したものです。

国家公務員 本サイト監修

某省庁の国家公務員。アガルートの地方上級・国家一般職+専門職・裁判所カリキュラムを使い、600時間で国家一般職に合格した。公務員試験を受ける大学生に向けて、合格するための有益な方法を、経験談を混ぜてレクチャーしている。

国家一般に限らず、国家総合、地方上級などの合格法も解説しています。

今回はロードマップの手順2.2一次試験を対策するから、具体的に公務員試験を対策していきましょう。

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一次試験の内容

公務員試験の内容をざっとおさらいします。試験は教養択一、専門択一、教養論文、専門記述、面接の5つに分けることができましたね。ここでは便宜上、面接以外を一次試験、面接などを二次試験とします。

職種ごとの出題科目について知りたい方は手順2.1理想の教材を用意するをご参照ください。全職種の出題科目が載っています。

教養択一

教養択一は高校の5教科を主な科目とするマークシート方式の問題です。科目ごとの出題数は各職種とも似ています。ここでは国家一般と地方上級の出題数を例に載せています。

教養科目科目国家一般地方上級
文章理解
(国語・英語)
現代文63
英文55
古文01
数的処理
(算数)
判断推理89
数的推理56
資料解釈31
社会科学政治11
経済13
法律13
時事34
自然科学数学01
物理11
化学12
生物12
地学01
人文科学日本史12
世界史12
地理12
文学・芸術01
思想10
合計5040

専門択一

専門択一は行政・法律・経済系などを科目とするマークシート方式の問題です。いくつかの試験では選択制が取り入れられています。たとえば国家一般は16科目から8科目を選択します。

専門科目科目国家一般地方上級
行政
政治学52
行政学52
社会政策03
国際関係52
社会学50
法律憲法54
行政法55
民法Ⅰ54
民法Ⅱ5
労働法02
刑法02
経済
ミクロ経済学59
マクロ経済学5
財政学53
経営学50
その他
心理学50
教育学50
英語(基礎)50
英語(一般)50
合計40(8科目選択)40

教養論文

教養論文は社会や自己について論述する記述問題です。論理的に正しいか、具体性や実現性があるかなどが採点基準となります。教養論文はさらに作文形式か論文形式かに分かれます。

作文形式

与えられた問いに対して、自分の思いや考えを記述します。志望動機や自己PRと重なる部分もあるので、面接での質問に近いイメージです。

例)理想の市役所職員について、あなたの考えを述べなさい。

論文形式

社会・経済問題について、解決策や考えを記述します。国家公務員なら国全体の問題について、地方公務員ならその自治体内の問題についてよく出題されます。

例)別紙の資料から、男女が平等な雇用機会を得るために、あなたが重要であると考える課題について述べなさい。

専門記述

専門記述は専門択一で挙げた科目内のトピックについて論述する記述問題です。出題方式は複数科目からの選択制となっています。

例)労働基本権およびその制限について説明せよ。

試験内容については分かりました。とくに難しいところはありますか?

数的処理とミクロ・マクロは配点も多くやりごたえがあります。次から解説しますね。

一次試験の科目解説

それでは科目ごとに対策すべきポイントを見ていきましょう。とくに択一試験の各科目で意識していたポイントを回顧録風に解説していきます。

科目解説の前に

一次試験の頻出部分

基本的な試験対策の考え方は、頻出部分を重点的に対策するということです。独学で勉強したい方は各科目の頻出部分がどこであるかを調べる必要があります。

幸い皆さんがお持ちの問題集には、どのセクションが頻出なのかをまとめた表が載っています。労力が最小限にするために、その部分を活用すると良いでしょう。

文章理解

  • 接続詞と協調・対立関係のある語に注目する
  • 4つの誤りパターンを理解する
  • センター試験レベルの英単語・文法を勉強する
  • 接続詞
    → しかし、いっぽうで、さらに、またなど
  • 協調・対立関係のある語
    → A=B、B=C、つまりA=C
    → A≠B、B=C、つまりA≠C
  • 4つの誤りパターン
    ①本文にない誤り
    例)一般常識的には○、本文では不述
    ②本文と反対の誤り
    例)本文:Aである、選択肢:Aでない
    ③本文を誇張した誤り
    例)本文:Aでもある、選択肢:必ずAである
    ④因果関係の誤り
    例)本文:A=B、選択肢:A=C

文章理解は現代文・英語どちらも要旨と文章構造を把握する必要があります。そのため接続詞と協調・対立関係にある語に注目しました。また内容把握・要旨把握の問題では誤りのパターンが必ず上記4つに分かれています。

英語はセンター試験レベルの英単語と文法を理解すれば十分です。2週間で6割を目標に勉強し、残りは試験一ヶ月前に問題集をすることで正答率を高めていきました。

数的処理

  • 公式+使い方で公式を整理する
  • 単元1:最小公倍数
    公式:割る数の最小公倍数+余り
    使い方:余りの問題で使う(余り一致)
    公式:割る数の最小公倍数+不足
    使い方:余りの問題で使う(不足一致)
  • 単元2:素因数分解
    公式:(指数n+1)×(指数m+1)個
    使い方:約数の個数の問題で使う
  • ・・・

数的処理は公式と使い方やシチュエーションをセットでメモしていました。ただ公式を覚えるだけでは使いどころを間違えてしまうんですよね。

数的処理が得点できない理由は3ステージに分かれています。

  • ステージ1:問題が理解できない
  • ステージ2:公式がわからない
  • ステージ3:問題と公式の対応が分からない

数的処理を苦手とする方は、ステージ2どまり、つまり公式を覚えただけで学習できた感覚に陥っている方です。ただ公式を覚えるだけでは得点できません。必ず公式は使い方と使いどころをセットで覚えるようにしましょう。

社会科学

  • 時事以外は問題集でのみ対策すれば良い
  • 時事は『速攻の時事』のみで対策できる
  • 『速攻の時事』の出題予想テーマが超有用
    → ここで学習ポイントを大きく絞れる

社会科学は専門科目で学ぶ範囲と被るため時間はかけませんでした。独学の場合、問題集だけやっておけば十分かと思います。

しかし時事のみは別途対策する必要があります。独学で勉強する場合『速攻の時事』一択ですね。出題予想テーマを10つに絞ってくれているので、ここをやるだけでも得点力を得られます。

自然科学

  • 配点の多い生物・化学に絞る
  • 生物
    → 動物の体、遺伝・DNA
  • 化学
    → 元素の性質、酸化・還元

自然科学は時間対効果が低い科目です。生物と化学を除く科目は配点が1点または出題されないこともあり、捨てる方も多いですね。

化学に関しても頻出部分の難度が高いため、得意な科目に絞るのも一つの戦略です。私も生物を中心に勉強していました。

生物は暗記系の問題が多く、文系の方でも取り組みやすい科目です。特に動物の体に関する問題は得点源になるため、時間がない方はこの範囲だけでも勉強するとよいでしょう。

人文科学

  • 日本史・世界史・地理に絞る
  • 歴史は近世以降を中心に勉強する
  • 日本史
    → 江戸の三大改革、明治以降の首相と改革
  • 世界史
    → 宗教改革、世界大戦前後
  • 地理
    → 地形、ケッペンの気候区分

人文科学は日本史・世界史・地理の配点が高く、他は1点以下のため3科目に絞って勉強します。

日本史・世界史は近代以降からの出題がほとんどです。理解が深まるからといって古代から順を追って勉強する方が多いですが、得点力という観点でのみお話しすると得策ではありません。

『過去問解きまくり 人文科学Ⅱ』によると、地理における地方上級の問題は基礎的であるいっぽうで、国家一般は原理だけでなくなぜそうした地形や気候なのかをセットで問うことが増え、難度が高くなっています。

教養科目ならではの対策ポイントってありますか?

数的処理に時間をかけ、他はほどほどに勉強することが大事です。配点や覚える量の関係で、最も得点力の得られる科目が数的処理だからです。

憲法

  • 人権は判例から出題される
  • 統治は条文の知識が問われる
  • 判例は判例名、重要語句を含む内容や数字を覚える
  • 人権の頻出部分
    → 人権総論(法の下の平等)、自由
  • 統治の頻出部分
    → 国会、内閣、裁判所、あとは試験による
  • 判例のまとめ方
    判例名:マクリーン事件
    内容:外国人に政治活動の自由を認める

憲法は専門科目のなかで最も易しく、法律科目の基礎となる科目です。人権は判例からの出題が多く、いっぽうで統治は国会や内閣の仕組みを問うことが多くなっています。

判例は長文のため、すべて覚えようとすると非効率です。重要語句や数字を含む短い内容、重要なら判例名もセットで覚えるとスムーズに思い出すことができました。

民法

  • 親族・相続は飛ばして良い
  • 債権は総論・各論どちらも超頻出である
  • 図にして覚えると相性が良い
民法の勉強方法

民法は法律科目のなかでも配点が大きい科目です。憲法と比べて難度が上がるため、法律科目ではじめて躓きました。

民法は条件によって各権利の所在が目まぐるしく変化するため、図表化して覚えることを大事にしました。とくに矢印を書き込む勉強法は効果的でしたね。お試しください。

行政法

  • 行政事件訴訟、国家賠償法は超頻出
  • 地方自治法は地方公務員にのみ頻出
  • 表にして覚えると相性が良い
命令的行為定義具体例
下命国民に作為を命じる行為課税処分
禁止国民に不作為を命じる行為通行禁止
許可法令に規定された一般的な禁止を解除し、一定の余地を与える行為医師免許
免除法令に課せられた義務を解除する行為租税免除

行政法は法律科目のなかで同じく配点の多い科目です。私は民法よりも行政法のほうが小難しい語句を難しかったですね。

民法は登場人物がケースごとに振る舞うためエピソード記憶が得られやすい。いっぽうで行政法は小難しい語句を淡々と覚えるという作業が多かった印象を受けます。

行政法はより語句の定義や要件が問われます。判例は民法と同じように図を使って勉強すればよいですが、語句や定義ついてはシンプルな表を使うとすっきりしました。

ミクロ・マクロ経済学

  • 計算も暗記もどちらも必要とする高難度な科目である
  • 参考書よりも問題集に時間をかける
  • 用語+意味+公式+図の4つをまとめる
  • 語句:限界代替率(MRS)
    意味:接線の傾きの大きさ
    公式:X財の限界効用/Y財の限界効用
  • 語句:限界代替率逓減の法則
    意味:x増加で限界代替率が低下する、凸になる
    公式:-

ミクロ・マクロ経済学の図表

ミクロ・マクロ経済学は最も難しいとする方が多い科目です。単純な計算問題だけでなく、正しく語句の意味を理解しなければ解けない問題が多いんですね。

前者には、ミクロより効用最大化、マクロより乗数や国内総生産などが含まれます。後者にはミクロよりパレート最適、IS-LMなどが含まれます。

数的処理よりも語句の意味にも注意します。ノートのまとめ方としては語句と意味、それを導くための公式という風に語彙を先行して覚える。そうすれば頭に入りやすかったですね。

とくに計算科目にありがちですが、テキストで覚えた気になっていた理論や公式が、実践になると使い方が分からず玉砕するケースが多発します。テキストはほどほどに問題集に時間を掛けましょう。

財政学

  • 経済学と重複する部分がある
  • 数字だけを暗記すると足元をすくわれる
    → その数字を基準に増加・減少しているかどうかが大事
  • 一般会計予算(歳出)
    社会保障関係費
    → 32兆円超、33.3%、1.6%増
    国債費
    → 23兆円超、24.1%、0.4%減
    地方交付税交付金等
    → 15兆円超、16.0%、1.9%増
    公共事業関係費
    → 5兆円超、6.1%、0.0%増
    文教及び科学振興費
    → 5兆円超、5.5%、0.0%減
    防衛関係費
    → 5兆円超、5.3%、1.4%増

財政学は少し特殊な科目です。というのも一部の範囲が経済学と被ります。そのため重複部分である財政理論は経済学と一緒または直後に勉強したいところです。

頻出部分ある財政制度は、数字だけを暗記するのではなく、その基準が前年より増加・減少しているか、上回っているか下回っているかまでを覚えます。

年度によって問題文の数字が目まぐるしく変化するため、古い参考書を使うのは禁物です。出題傾向も同様に変化することからもおすすめしません。

政治学

  • 優先度は低い
  • 頻出部分が絞りづらい
  • 偉人+主張や語彙+内容で覚える
  • 政治権力
    偉人名:ウェーバー
    語彙:ー
    主張:権力とは抵抗を排してでも自己意思を貫徹するすべての可能性
    偉人名:ラスウェル
    語彙:価値剥奪
    主張:権力とは他社に価値を付与したり奪ったりする能力

政治学は配点の都合上、優先度的には高くない科目となります。また問題集を見てもらうと分かるとおり各パートで頻出部分がまばらなので、短期間での対策が案外難しいのが特徴です。

実際の政治学は歴史と切っても切れない関係ですが、試験限定で考えるとそこまで対応させて覚える必要はありません。とはいえ世界史の後に勉強するといくらか流れが掴みやすくなります。

他に特徴として、政治学はよく問題文に偉人が登場します。よって普段の語句と詳細にくわえ偉人名もセットで覚えることを意識しました。

行政学

  • 最も優先度が低い
  • 行政法と行政学は試験的には別物
  • 主張や語彙+内容(+偉人)で覚える
  • ウェーバー以降の官僚制論
    偉人名:マートン
    内容:逆機能は規範への過剰同調によって生じる
学者名セルズニックグールドナーブラウ
対象テネシー渓谷開発公社石膏工場の事業所職業安定所等
内容官僚制は政府の目的から逸脱してしまう上下の相互了解に基づく代表的官僚制が重要社会的凝集性が弱い組織では過剰同調や変化への抵抗が強まる

行政学は広範囲かつ深い問題が多く出題されるとのことで、深くは勉強しませんでした。

行政学は歴史や行政組織の総論・各論、官僚制や公務員制度どれも大事なため、局所的に勉強することが難しかったですね。勉強法としては政治学に近いものとなります。

歴史や理論の説明には偉人が登場しますが、予算や地方自治にはあまり登場しません。なのでこれまでのメモの取り方を組み合わせて学習する必要がありました。

ミクロ・マクロとか行政法とか、専門科目って難しそうだなー。

ホントそうですよね。私もミクロ・マクロは躓きました。しかし一日に同系統の問題を何問も行うことで少しずつ慣れてくるものですよ。

まとめ:公務員試験の一次試験対策

  • 問題集にある各パート頻出まとめを参考にする
  • 計算科目はテキストより問題集に時間をかける
  • 公式や語句は使い方や具体例をメモする

一次試験の対策の方向性を理解したら、二次試験の対策について深掘りしていきましょう。予備校生は○○を、独学者は○○を使って面接対策すると良いという風に明記していきますね。

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