二次試験ってどう対策すればいいですか。
二次試験とは何かを紹介したあと、解説していきすね。
- 二次試験の対策方法が分かる
- 科目ごとの注意点が分かる
当サイトは、国家公務員である土井まさひろさん(仮名)の協力のもと、公務員試験の国家一般職に合格するまでのステップをロードマップ化したものです。
国家一般に限らず、国家総合、地方上級などの合格法も解説しています。
今回はロードマップの手順2.2二次試験を対策するから、具体的に公務員試験を対策していきましょう。
二次試験の内容(面接の種類)
公務員試験の内容をざっとおさらいします。試験は教養択一、専門択一、教養論文、専門記述、面接などの5つに分けることができましたね。ここでは便宜上、面接などを二次試験、それ以外を一次試験とします。
さらに国家系の場合、二次試験は官庁訪問といういわば採用選考活動を行います。地方系にある採用後の面談とは異なり、合否に関係します。
公務員試験の概要について知りたい方は手順1.1試験の基本情報を知るをご参照ください。
面接
面接は受け答えやマナー、人間性や身だしなみなどが適切かどうかを見られる試験です。面接はさらに個別面接、集団面接、集団討論の3つに分かれています。
個別面接
個別面接はみなさんが思い浮かべるとおりの一般的な面接です。受験生1人に対して面接官3~5人程度で面接を行います。
集団面接
集団面接は一度に複数の受験生と行う面接です。受験生3~5人程度に対して面接官3~5人程度で面接を行います。回答は席順で行う、挙手で行うなどさまざまです。
集団討論
集団討論では時事問題や各自治体の課題などについて討論します。テーマに対して自分の意見を用紙にまとめ、他の受験生と討論し、集団として結論を出すという流れが一般的です。
官庁訪問
官庁訪問はタイトなスケジュールで省庁を周り面接する最後の難関です。実態は面接とかわりありませんが、二週間に渡り十数回もの面接を行うので、より多くの準備が必要となります。
面接は一般企業と違いがありますか?
志望動機や自己PRなど、基本的に聞かれる内容には違いがありません。形態や規模にもよりますが、大きな差は感じませんでした。
二次試験における面接対策
これから二次試験における面接対策を4ステップで行います。『公務員試験 面接完全攻略ブック』などを参考に面接で意識すべきポイントを確認しましょう。
大前提を理解する
二次試験の対策をする前に、絶対に意識しておきたい点を確認します。それは面接官目線で考えるということです。
面接官が選考時に重視する点
- 1位:コミュニケーション能力
- 2位:主体性
- 3位:チャレンジ精神
- 4位:協調性
- 5位:誠実生
- 部下として迎えたい人
- 職場にフィットする人
- 心身ともに健康な人
- 自分を客観視できる人
- 積極的に改善できる人
あなたを面接する面接官は以上を意識しながら手元の表にチェックをつけています。ここから逆算した言動で面接に望むと合格へと近づくでしょう。
面接当日の流れを理解する
- 面接会場に到着する
- 面接前の説明を受ける
- 面接ブースで面接する
- 面接会場から後にする
- 到着から帰宅までは約1時間
- 面接自体は10~30分
面接の流れとして、中規模以上の自治体では、面接前に受験者が会場の一室に集められ説明を受けるのが一般的です。説明の内容は本日の手順、アンケート記入の案内といった感じですね。
私が受験した自治体は同日に面接が2回ありました。計20分ほど、帰宅まで1時間ほどでしたね。
面接の流れを理解する
面接官に顔を合わせてから退出するまでの流れを理解していきます。
入室時
- ドア前で3回ノックする
- 「どうぞ」の後「失礼します」と言いドアを開ける
- 入室後ドアノブに手を添え閉める
- 「失礼します」と言い礼をする
- 椅子の左横まで進み立つ
- 目を合わせ「◯◯と申します。よろしくお願いします」と言い礼をする
- 「席へどうぞ」の後「失礼します」と言い着席する
着席後
- 前口上が述べられる
- 履歴書の提出を求められる
- 面接としての質問をされる
- いくつかの質問後終了
退出時
- 起立し椅子の左横に立つ
- 「ありがとうございました」と言い礼をする
- ドア前まで進み振り返る
- 「失礼しました」と言い礼をする
- ドアを開けて退出する
面接は質問のときだけではなく、入室から退出までの間、表情や所作なども見られていることに注意します。回答の質以前にハキハキ話せているか、視線は適切かなどを意識してください。
面接の対策をする
具体的な面接の対策をします。ここでのステップは4つです。
情報を収集する
各省庁や自治体のHPや説明会などから情報を収集します。「わが自治体における関心のある施策は?」などの質問に対応するためにも必須です。
自己分析をする
自分の長所は何か、何が好きでどんな経験があるかなど、自己分析を行わなければ面接時での回答があやふやになっていまいます。「自己分析ツール」と調べると道筋が得られますよ。
回答を用意する
具体的に回答を用意していきます。よくある質問と回答時のポイントは以下のとおりです。
よくある質問
- 自己PRをお願いします
- 長所と短所を教えてください
- 省庁・自治体の魅力を説明してください
- 上司と意見が合わない場合はどうしますか
回答時のポイント
- 強み、具体例、感謝と功績を話す
- 短所に対しての具体的な努力を示す
- 正しい論理と熱意をもって話す
- まずは従う姿勢を見せ協調性を示す
下記ではさらに面接対策ができるように、面接時のよくある質問と回答に対するポイントを28つまとめています。
模擬面接をする
- 予備校の場合
→ 何度でも模擬面接が利用できる予備校を使う - 独学の場合
→ 大学のキャリアセンターで行ってもらう
→ 先輩や知人からフィードバックを貰う
→ 面接だけの対策講座を利用する
予備校を検討する場合、回数無制限に模擬面接が行える予備校を利用しましょう。
独学の場合、大学生ならキャリアセンターで模擬面接を行ってもらえる場合があります。有効度は減りますが、先輩や知人にフィードバックを貰うのも手です。
また独学者に向けた面接のみの対策講座も用意されています。予備校に通う10分の1程度の価格で受けられるため、少額ながら合格率を高めることも可能です。
一人で面接の練習はできませんか?
フィードバックが得られないのは痛いですね。一次試験では解答や解説がその役割でした。いっぽう面接では他人からしか得られません。知人で構いません。面接は聞いてもらいましょう。
二次試験における集団討論対策
二次試験における集団討論の対策を4ステップで行います。
集団討論の概要を理解する
- 目的:集団で討論し結論を出す
- 人数:5~12人
- 時間:45~60分
- テーマ例:女性が働きやすい環境づくりには何が効果的か
集団討論はおもに社会の諸問題に対し、限られた時間で結論を出します。テーマは環境問題や労働問題、地域活性化についてなど様々です。
集団討論の流れを理解する
集団討論の流れ
- 役割分担を決める
- 手順と時間配分を決める
- 各人討論する
- 集団として意見をまとめる
役割分担時の役割
- 司会
→ 進行役。討論の牽引より確認を促す - 書記
→ 意見を筆記しまとめる - タイムキーパー
→ 時間管理し議論を制御する
開始と同時に役割分担を行います。そのあと司会が討論進行への手順と時間配分を決定します。それぞれが討論を終えると意見をまとめ、班としての主張を提出または発表します。
集団討論の評価基準を理解する
- 論理性
- 発想力
- 協調性
- 傾聴力
論理性や発想力には主張が論理的に正しいか、事例を伴う根拠であるかどうかなどが問われます。協調性や傾聴力は、全員参加を意識した言動、自分と異なる意見に対する好意性などが問われます。どちらも面接対策の応用ですね。
集団討論の対策をする
集団討論は面接での注意点はもちろんのこと、役割やテーマを意識して対策する必要があります。とくに頻出テーマについては知っておきましょう。
頻出テーマと具体例を知る
頻出テーマ
- 社会保障
- 労働問題
- 環境問題
- 生活に関する問題
- 各地域に関する問題
具体例
- 女性が働きやすい環境づくりには何が効果的か
- 高齢者に対し行政はどう取り組む必要があるか
- ポイ捨て対策について何が効果的か
- 歩きスマホの危険性をどう周知すればよいか
- 自治体の魅力を発信するにはどうすればよいか
集団討論のテーマへの対策として、時事問題や筆記試験の知識が使えます。私は自分の主張に対しそれらの事例を絡めることで、時間的なコスパよく勉強を進めていました。
模擬討論をする
- 予備校の場合
→ 何度でも模擬討論が利用できる予備校を使う - 独学の場合
→ 知人や先輩と各係になりきって討論する
→ 専用の対策講座を利用する
予備校生へのアドバイスは前述のため省略します。
独学で集団討論の模擬討論を行う方法は限られています。面接専門の講座を受ける、先輩に雰囲気を出してもらいながら各係になりきって討論するなどが有効です。
たしかに筆記試験のテーマと似ていますね。
はい。筆記試験や時事問題から応用するというのは非常に有効です。わたしもその方法で試験を突破しましたよ。
二次試験における官庁訪問対策
官庁訪問を二次試験と呼ぶかについては異論を生みそうですが、やることは面接対策と類似します。良い機会ですので一緒に対策しましょう。
官庁訪問の概要を理解する
- 概要:各日3省に対し面接と原課訪問を行う
- 日程:約2週間、朝~夜、5クール制で行う
- 面接時間:30~60分
- 質問例:懇志のある政策と理由
官庁訪問は約2週間を5つのクールに分かれ、面接と原課訪問を繰り返します。原課訪問とは人事以外の職員との面談であり、むしろこちらから興味がある点を質問することがほとんどです。
官庁訪問の流れを理解する
- 09:00:1省庁目の面接開始
- 09:30:1省庁目の面接終了
- 12:30:2省庁目の面接開始
- 13:00:2省庁目の面接終了
- 16:30:3省庁目の原課訪問開始
- 17:30:3省庁目の原課訪問終了
- 20:00:4省庁目の原課訪問開始
- 21:00:4省庁目の原課訪問終了
- 23:00:採用担当者から連絡があり終了
官庁訪問の一日の流れです。これを3セット行うと1クールとなり5セット行います。面接自体は一度目と違いありませんが、原課訪問はこちらから質問するため注意が必要です。
原課訪問の評価基準を理解する
- ヒアリング力
- 質問力
- コミュニケーション力
原課訪問では面接と異なりヒアリング力や質問力が求められます。職員の話から重要点をまとめ理解し伝える力や、職員に伺うトピックとして妥当性のある質問ができる力などです。
官庁訪問の対策をする
面接については先ほど述べた対策法と違いありません。いっぽうで原課訪問についてはこちらが質問する側であるという点に留意し対策します。
情報収集を”念入り”にする
- 業務説明会に参加する
- 政策セミナーに参加する
- ホームページを参照する
- パンフレットを入念に読む
各省庁は受験者に向けた様々なイベントを行っています。またホームページやパンフレットなど様々な媒体で情報を発信しています。
これらの情報収集は試験前に余裕を持って行ってください。実は官庁訪問前にもなるとそのようなイベントは限られた回数しか行われません。
質問の言い回しをストックする
- どんな経緯で○○省に入省したのか
- 現場では何をやりがいに感じるか
- ○○施策はどういった形で業務として現れるか
原課訪問での質問の言い回しをストックしておきます。とはいえある程度下調べをしておけば、おのずとやり取りのなかでスムースな質問が思い浮かんだりするものです。
その場合、このようにカチカチな質問ではなく、率直に思い浮かんだ質問をすればよいでしょう。ときとして内容よりも熱意が好印象を与えるという心情に基づきます。
官庁訪問ってどんな雰囲気でしたか。
知識上ではなく実際に各省庁を訪問した機会がなかったため、初日は緊張しましたね。また長時間・長期間ということもあり体力が要りました。
二次試験の対策まとめ
- 面接・討論・官庁訪問など種類がある
- 面接官の評価基準から逆算する
- 情報収集が大事である
- 模擬面接で合格率を高める
二次試験の対策を終えたら、試験前に確認すべきことを整理します。先に知っておくことで直前期に焦らず心に余裕を生みますよ。